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偏愛的独白

『パレード』

2017年5月18日(木)~6月4日(日)
東京芸術劇場 プレイハウス

作:アルフレッド・ウーリー
作詞・作曲:ジェイソン・ロバート・ブラウン
共同構想およびブロードウェイ版演出:ハロルド・プリンス
演出:森新太郎
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
振付:森山開次

企画制作:ホリプロ

出演

レオ・フランク:石丸幹二
ルシール・フランク:堀内敬子
ブリット・クレイグ(新聞記者):武田真治
トム・ワトソン(政治活動家):新納慎也
ニュート・リー(鉛筆工場の夜間警備員、黒人):安崎求
ミセス・フェイガン(メアリーの母):未来優希 
フランキー・エップス(メアリーの親友):小野田龍之介
ジム・コンリー(鉛筆工場の清掃人、黒人):坂元健児
ローン判事(担当判事):藤木孝
ヒュー・ドーシー(ジョージア州検事):石川禅
スレイトン知事(ジョージア州知事):岡本健一
ルーサー・ロッサー(弁護士):宮川浩
サリー・スレイトン(スレイトン知事の妻):秋園美緒
ミニー・マックナイト(フランク家のメイド、黒人):飯野めぐみ
メアリー・フェイガン(殺された鉛筆工場の女工):莉奈

石井雅登、杉山有大、当銀大輔、中山昇、水野貴以、横岡沙季、吉田萌美

チケット:S席 13,000円/サイドシート 8,500円

上演時間:2時間40分(休憩15分含む)

20世紀初頭にアメリカ南部で起きた冤罪事件を題材にした社会派作品ということは、知っていたのですが、詳しい内容は知らずに行きました。
キャストが豪華だったので、チケットをとった次第。

オケピがあるので、最前列は、F列。
私の席は、前方バルコニー席。

チケットの売れ行きは、よくなかったですね。
A席、B席という座席設定がないのも一つの理由だと思います。

ですが、評判がよかったようで、千秋楽近くは、満員御礼、立見もあった模様。

そして、関係者の多いこと!

関係者といっても、チケット売れなくて、仕方なく事務所の若手動員したり、招待券配ったりのほうじゃなくて(笑)、この舞台は観ておかなくてはという向きの関係者です。
出演者も豪華ですが、演出の森新太郎さんも、有名な方のようです。

古川くんや和樹くんも観に行ってますね。

私が行った日も、ギリギリ到着の私の前を颯爽と駆けていくマスクの男性がいて、レミゼ休演日だったから、もしや相葉くん??と思ってwこんなところで会うなんて♥と喜んだけど、何となく細さが違う。

そしたら、マリウス違いで、

海宝直人くんだった!

ほえ~と思って、海宝くんの行方を目で追うと、その先に、ジャベールがいたw

あ、バルジャンもやってるけど、

吉原光夫さん!

きゃあ~♥

マリウスすごくいいですぅとか、
和音さんとのご結婚おめでとうございますぅとか
心の中で言いました(笑)。

ちなみに、帰りも、劇場外のエスカレーターで遭遇。
海宝くん、マスクとって、吉原さんと話していました。
仲良しなんですね。
どうやら、前日も、一緒に行動していたとツイッターで知りました。

この日は、昆さんも観劇していたようですし、そのほか、きれいなタレントっぽい女性を連れた事務所のおじさんっぽい人とか、見かけたので、関係者率は、高かったと思われます。

そんなわけで、浮かれた気持ちで臨んだ観劇。

想像以上の衝撃を受けて、しばし茫然。

これが、ストプレじゃなくて、なんで、ミュージカルなんだろうと思いました。
いい作品だけど、リピートはつらいなあと。
つらいけど、楽曲はいいので、CDがあれば、欲しいです。

犯罪系というか、つらい系で思い出すのは、「スリル・ミー」「ボニー&クライド」「スウィーニ・ートッド」「組曲虐殺」(音楽劇)あたりですが、そのどれとも違います。
「ジキル&ハイド」「フランケンシュタイン」のように残虐なシーンがあるわけでもありません。

でも、怖くて怖くて仕方ない作品です。
これを日本でよく上演する気になったなあと思いました。
その英断に拍手。

以下、ネタバレ感想。




冒頭、響くドラム音が、気持ち悪い。
落ち着かない。不協和音。

舞台の真ん中には、大きな樹。

若い兵士が歌い始める。

あ!小野田くんだ。

小野田くん、歌、うまいわ~。この美声を久々に聞いた。
いつのころからか、体型に貫禄がついちゃったけど、写真で見るほどは太ってなかった。

老いた兵士の歌もいい。

歳月が過ぎ、街では、戦没者追悼記念日のパレードが開催されている。
色とりどりの紙吹雪が舞う。
かなりの量。

この日に事件は起こった。

かわいらしい莉奈ちゃんと小野田くんの微笑ましいシーン。

莉奈ちゃんが、まさか、殺される女の子の役だとは思ってなくて、ショックだった。

莉奈ちゃんは、賃金を工場長(石丸)のところにとりにいく。
そして、暗転・・・。

莉奈ちゃんが強姦され殺され、最後に会ったと思われるレオ(石丸)が逮捕されて、冤罪に。

冤罪がいとも簡単に作られることに恐怖を感じるが、時代的背景も大きく関係している。
チラシの中に、当時の南部のことが書かれたものが入ってる。

レオが犯人に仕立てられたのは、ユダヤ人だったから。
南部の白人の利益を害する裕福なユダヤ人がスケープゴートにされた。
(帰宅してから、レオ・フランク事件でぐぐりました。舞台以上に衝撃的な出来事で、読むのもつらいです。)

知事のスレイトンが、 検事のドーシーに、事件の早期解決を命令。
大事なのは事実ではない。
黒人一人をつるしただけではダメみたいな感じだった気がする。

黒人の警備員とユダヤ人レオの二人が逮捕されるが、次々と証拠がねつ造されて、絞首刑を告げられるレオ。

第一幕が終わって、どよ~んと胃が重くなる。

レオは、確かにちょっと嫌な奴なんです。
真面目な人間ですが、クセがあるし、南部に溶け込もうとはしていない。

妻や弁護士に対しても、少し威圧的。

でも、だからといって、殺人の罪を押し付けていいわけがない。

それでも、第二幕では、妻のルシール(堀内)が一生懸命調べて、知事に働きかけて、終身刑に減刑される。

身の安全のために、刑務所を移される。

看守も優しいし、訪ねてきたルシールは、ピクニックのようにシートを敷いて、手作りのお弁当を並べる。
このシーンは、とても素敵。

ああ、冤罪が晴れたのだ、絞首刑を免れたのだとほっとする。

このあとは、真犯人がつかまり、レオは釈放され、夫婦はやり直すのだと思うじゃないですか。
それが、カタルシスというもの。

私がよく読む推理小説だって、大半はそんな展開。
悪は憎むけど、最後に正義は勝つというか、神様は見てると思うじゃないですか。

しかし、正義って何でしょうね。

南部の白人にとっての正義は、レオ・フランクを絞首刑にすることなんですよね。
そりゃ、少女を殺した真犯人ならそれでいいんですけども。

真犯人を探す努力をするんじゃなくて、ユダヤ人を犯人に仕立て上げようとする狂気。

二幕で、北部から弁護団?が来るだったか、ユダヤ人協会?が働きかけているというようなセリフがあったので、てっきり、そういう組織が動いて、レオの無実が証明されると思ったんですよね。

もともとのきっかけを作った知事(岡本)も、ルシールに根負けして、再調査して、レオの無実を知り、勇気をもって減刑するんですよね。(終身刑じゃないと、レオの身が危ない。)
知事の妻(秋園)も、理解があり、よかったなあと思ったのに。
(実際、知事は脅迫を受けて、国外に逃げていたとのこと。)

そして、恐ろしいことに、刑務所の場所が漏れて、レオは拉致されて、吊るされてしまいます。
最後まで、無実を主張するレオ。

拉致した側にも、強硬派と穏健派がいるのが、わかります。

犯人探しが、テーマではないので、作品では真犯人は明示していません。
最後は、 戦没者記念日パレードを睨むルシールで終わります。

もう、なんか救いがなさすぎて、涙も出ず。

もう二度と観たくないと思う一方で、やたらと楽曲が耳に残っています。

レオを吊るした側は、本当にレオが犯人だと思っていたのでしょうか。
それとも、吊るすべき犯人が必要だっただけなのでしょうか。

帰宅してから知りましたが、私刑にかかわった者が逮捕されることもなかったし、レオの無実が証明されたのは、1986年だそうです。
関係者はみんな死んじゃっているじゃないですか。

つらくて、怖いけれど、心に深く残る作品でした。

キャストについては、別途語ります。
(つづく)

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